「マイラーズC・G2」(27日、京都)
今年3月に厩舎を開業したばかりの
井上智史調教師(43)=栗東=が、ベテラン馬
ホウオウリアリティで重賞に初挑戦する。「転厩してくることになった時、こんなにいい馬を預からせていただいてもいいのかなと思っていました。思い入れのある馬です」と深くうなずく指揮官。「開業して間もないですが、大きい舞台にチャレンジできることがとてもありがたい。厩舎の
モチベーションにもなりますから」と力強く口にした。
一度は諦めかけたという調教師への道。それでも昨年、晴れて合格した。「即開業だったので与えられた環境で目の前のことを全力でこなしてきました」と慌ただしい日々を振り返る。「風通しが良く、楽しい厩舎を作りたいと思っていました。スタッフ一人一人に主体性を持ってもらい、意見をすり合わせていけるような。まだまだ始まったばかりですが、思い描いていた厩舎の雰囲気だと思います」と笑った。
今月5日の阪神7Rを
サンダーバースで制し、待望のJRA初勝利。14戦目で大きな一歩を踏み出した。「うれしかったですね。ホッとしました」と笑みをこぼしたトレーナー。厩舎マネジャーは元JRA騎手の藤井勘一郎氏が務めている。「厩舎では馬に乗ること以外にもたくさんの仕事があり、その負担は大きい。とても助けられています」としみじみ語った。
開業2カ月目の重賞挑戦。「前走は初めてのマイル戦でも、しっかり脚を使えていました。理解力のある馬で慣れも見込めると思う。馬にとっても厩舎にとっても大事な一戦です」と気合は十分だ。厩舎一丸で大舞台へ-。初めてのチャンスをきっちりモノにしてみせる。
提供:デイリースポーツ