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【桜花賞】河内氏、武豊、石橋師の絆を紡ぐウォーターガーベラ

スポニチ
  • 2025年04月11日(金) 05時05分
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、桜花賞が行われる。定年により今春引退となった河内洋元調教師は騎手時代、幾度となく3歳牝馬を桜の女王へと導いた。弟弟子にあたる武豊騎手も後にレジェンドとして名をはせる以前、この桜花賞を得意とし輝きを放っていた時期があった。88年から94年までの間で河内騎手と武豊騎手はそれぞれ3勝ずつ。すなわち、7年間のうち6回をこの2人が勝利したのだった。

 その中の1頭に90年、河内騎手の手綱で勝利を収めたアグネスフローラがいた。彼女の母アグネスレディーは79年オークスを、さらに、その子であるアグネスフライトは00年ダービーをそれぞれ優勝。いずれも手綱を取っていたのは河内騎手だった。親子3代のクラシック制覇。その全てを河内騎手がいざなったのだ。

 そして、そのダービーでアグネスフライトに鼻差で敗れたのが武豊騎手が騎乗していたエアシャカール皐月賞菊花賞を制した彼は、3冠馬にはなれなかった馬としては最も3冠馬に近づいた存在だったわけだ。

 そんな歴史の縁が今春、もう一度巡る。河内調教師は厩舎を解散し、静かに競馬界を去ったが、最後に大きな置き土産を残していた。その名はウォーターガーベラ武豊騎手を背にチューリップ賞で2着となり、桜花賞への出走権をつかみ取ったのだった。河内厩舎の幕引きとともに彼女は石橋守厩舎へと転厩した。石橋調教師もまた、武豊騎手とは兄弟のように育った旧知の仲。先週、ドバイで共にメイショウタバルに夢を託した戦友でもあった。

 そして今週、ウォーターガーベラは河内厩舎として最後に出走したチューリップ賞に続き、石橋厩舎の所属馬として初めて迎えるレース・桜花賞で再び武豊騎手とタッグを組む。あの伝説を知る者たちが紡いできた絆の先に、今もう一つの物語が始まろうとしている。河内元調教師もきっとどこかでその走りを見守っているに違いない。注目したい一戦だ。 (フリーライター)

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