皐月賞と同じ舞台で行われる重要な
ステップレースだが、このレースも他の
トライアルレース同様にクラシックレース本番へと挑む有力馬のローテーションの変化の影響を受けつつある。それでも昨年の2着馬
シンエンペラーは
日本ダービー3着ののち
ジャパンC2着。一昨年の優勝馬
タスティエーラ、22年の2着馬
ドウデュースはのちに
日本ダービーを制している。
◎
ヴィンセンシオは
葉牡丹賞優勝馬。この時は開幕週だったとはいえ3か月ぶりの実戦で馬体重が14kg増。それでも前後半の1000mが59.4秒~59.4秒という流れを中団のイン待機。早めに前を捕まえに行って、最後は後続の猛追を抑え込んだ。新潟競馬場での新馬戦は内回りコースを使った2000m戦。1000m通過が67.0秒というスローペースだったとはいえ、最後の2ハロン11.6秒、11.1秒は凄い。結果的には同じ距離でも10秒近く勝ち時計が異なるレースを制したセンスの高さは、ここでも武器となる。
〇
ジュタは
若駒S優勝馬。やや口向きの悪さを見せながらもしっかりと我慢の利いた走りで好位を追走し、最後の直線ではインコースの狭いところを割って出て後続の追撃を封じ込めている。デビュー2戦目の
ホープフルSはデビュー戦から6kg増の馬体重。8枠16番から正攻法の競馬で
クロワデュノールと真っ向勝負を挑み、最後は突き放されてしまったが、悲観するほど悪い内容ではなかった。
▲
ナグルファルは
エリカ賞優勝馬。半マイル通過48.6秒、前半1000m61.4秒のスローペースをやや離れた2番手で追走し、早めスパートで後続をねじ伏せた。デビュー戦も同じ京都競馬場内回り2000m戦。500kgを超える大型馬ゆえに使われての上積みも期待できそうで、ここは試金石の1戦となりそうだ。
△
ミュージアムマイルは
朝日杯FS2着馬。出遅れ、リカバリーに脚を使いながらも長く脚を使って3着以下に2馬身半差。勝ち馬には及ばなかったが能力を示した。
黄菊賞の内容から距離延長は不安というよりも楽しみの方が大きい。
コスモス賞を圧勝している△
アスクシュタインは前走で控える競馬にめどを立て、△
ファウストラーゼンは
ホープフルSで優れた心肺能力を示した。最後に△
アロヒアリイ。前走は前半1000m通過59.1秒で最後は12.4秒、11.5秒。中身の濃いレースで勝ちに等しい内容だったことを評価したい。