先週
チューリップ賞の波乱の余韻が残る仁川で今週も3枚の
桜花賞切符を懸けた
トライアル。「第59回
フィリーズレビュー」は激戦必至の組み合わせだ。昨年もみじSでオープン勝ちがある
リリーフィールドはコースこそ違うが結果を出している芝1400メートルを今季初戦に選択した。阪神JF12着後、ひと息入れて再出発。乗り慣れた鞍上・
武豊が力をフルに引き出す。
まだ粗削りながら相当な可能性を秘めた存在だ。昨夏のデビュー戦がダート1000メートルだった
リリーフィールドは一戦ごとに異なる条件で走って4戦2勝。気性面では、やんちゃな一面を持ち合わせている。昨秋初戦の
りんどう賞は返し馬の際に立ち上がり、転倒して放馬。右臀部(でんぶ)打撲傷のため除外となったが、翌週のもみじSは4角先頭から押し切って3馬身半差の快勝。放馬の影響をみじんも感じさせず、涼しい顔でゴールを駆け抜けた。山口助手は「ひっくり返った翌週に勝っちゃうんだから持っているポテンシャルは高い。スピードがあるし、一生懸命に走るところがいい」と評価する。
前走の阪神JFは12着惨敗も、収穫は大きかった。「距離は長かったけど、ゲート先入れでもおとなしくして、その中でいいスタートを切れた。精神的に良くなっている」と幼かった気性面は変化を遂げている。さらに「前走後、放牧を挟んで体が大きくなって帰ってきた。1週前に追って状態はだいぶ良くなっている。体の方も少し中身が詰まってきた」と心身の成長を実感。今回は1F短縮で勝ち鞍のある芝1400メートルへ。「この距離は合っている」と舞台を歓迎する。阪神JF組は14着に敗れた
クリノメイが先週
チューリップ賞で
トライアルV。敗戦をバネに課題克服に取り組み、今季初戦で好スタートを切った。結果が振るわなかったとしてもG1出走の経験は先々への糧になる。
過去3戦コンビを組み、継続騎乗となる
武豊の存在が心強い。レース名が4歳牝馬特別だった頃(00年まで)を含め、99年
フサイチエアデール、07年
アストンマーチャン、14年
ベルカントで当レース3勝の実績。小崎師とのタッグでは10年
JBCクラシックから12年
川崎記念まで地方交流重賞を9連勝した
スマートファルコンの活躍が印象的だ。山口助手は「スピードがあるし、そのあたりは豊さんが一番つかんでくださっているので」と期待を寄せる。
チューリップ賞では初コンビの
ウォーターガーベラ(7番人気2着)の末脚を引き出した名手が今週もパートナーを桜の大舞台に導く。 (栗林 幸太郎)
≪荒れた馬場もOK≫
リリーフィールドは
モズアスコットの初年度産駒。父は18年
安田記念、20年フェブラリーSとG12勝、芝ダートを問わず1400~1600メートルで活躍した。同産駒は
モズナナスターが
ファンタジーS2着、
ファウストラーゼンが
ホープフルSで17番人気3着と好走。距離適性の幅の広さを印象付けた。山口助手は「いい馬場で走らせたいけど荒れた馬場もこなせると思う」との見立て。当日、力の要るコンディションになっても対応できそう。
スポニチ