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「二足のわらじ」前田幸大氏が思い描く“キズナの道”

スポニチ
  • 2024年05月02日(木) 10時15分
 日々トレセンや競馬場で取材を続ける記者がテーマを考え、自由に書く東西リレーコラム「書く書くしかじか」。今週は大阪本社の菱田誠(64)が担当する。京都新聞杯に向かうインザモーメントを所有する前田幸大オーナー(23)はオーナーブリーダー・ノースヒルズの前田幸治代表の次男。大学生にして馬主、次代を担う若きホースマンに話を聞いた。

 競馬の醍醐味(だいごみ)の一つは過去をなぞりつつ、現在に二重写しとなるドラマ。それが人であれ、馬の血統であれ、背景に壮大なストーリーがあればなおさらだ。

 京都新聞杯の勝ち馬(13年)に名を刻むキズナは、同年の日本ダービーで頂点に君臨している。今年の京都新聞杯に挑むインザモーメントキズナ産駒で、かつ同じノースヒルズの生産馬。主戦の鮫島駿は「フットワークが大きい。まさにキズナ産駒の特徴」と血統に触れれば、管理する田中克師は「運動神経の良さがある。総合力が高い」とPR。キズナが歩んだこの重賞を勝ってダービーへ!の青写真を胸に描いている表情だ。

 騎手の鮫島駿は27歳、田中克師も調教師としては新進気鋭の36歳。そして馬主も話題になるだろう。前田幸大氏は23歳だ。

 ノースヒルズの前田幸治代表の次男で「物心をついた時から競馬が身近な存在でした」と自然な流れから馬主資格を取得。慶應義塾に在学中で「まだ学生なので本分は勉学」とした上で「馬主としてノースヒルズや自分の馬を応援する醍醐味は味わっています」と、言うなれば学生と馬主の二足のわらじを履いている。

 幼い頃から親しんだ血統と競馬の知識が頭に詰め込まれている。感動したレースの一つがコントレイルの引退戦となったジャパンC(21年)。陣営にとって負けられない戦いの重圧と、期待に応えた至福の喜びを現地観戦で共有した。さらに「あることで一番印象深いのはキズナのダービー。当時、私は中学生でしたが、父が涙を流すのを初めて見ました。競馬は凄い!と、思いました」と、忘れられない光景を振り返った。

 ノースヒルズはオーナーブリーダー。北海道・新冠町の牧場で生産し、鳥取県の大山で育成してトレセン入厩前の基礎体力を築くようにシステム化されている。「父の考えと気持ちがスタッフ全員に伝わっていると思います。それが一番の強みじゃないですか」と”チーム“を強調。今月13日には、新冠の牧場が開場40周年を迎えることから盛大な式典が行われる。

 インザモーメント京都新聞杯を勝てば、ダービー出走が確実となり、40周年に花を添えることになる。2勝目を挙げた前走のアザレア賞は圧巻の内容だった。前田幸大氏は「その日はリメイクの応援でドバイに行ってました。映像で見ましたが、道中で掛かり気味だったのに最後は力強く伸びてきましたよね。兄(幸貴氏)が鮫島克駿ジョッキーと同い年で仲が良いことから、私も仲良くさせてもらっています。頼りにしています」と鞍上のエスコートに感謝。

 今年の皐月賞キズナ産駒のジャスティンミラノが勝利、牡馬クラシックVは産駒にとって初の出来事だったから血統も追い風。馬も人も…とインザモーメントはどこを切り取っても話題満載だ。

 ◇前田 幸大(まえだ・こうだい)2000年(平12)6月20日生まれ、大阪府出身の23歳。オーナーブリーダー「ノースヒルズ」前田幸治代表の次男。慶應義塾経済学部の4年生。幼少期から競馬に慣れ親しみ、20歳で馬主免許を取得。中学時代はバスケット、高校時代はテニスなど体育会系の競技に夢中だった。1メートル80の長身。

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