【競馬人生劇場・平松さとし】京都競馬場で
天皇賞・春(G1)がスタートを切る今週末、香港では3つのカテゴリーのG1を一斉に行うチャンピオンズデーが開催される。
3つのレースとはすなわち1200メートルの
チェアマンズスプリントプライズ、1600メートルの
チャンピオンズマイル、そして2000メートルのクイーンエリザベス2世C(以下QE2)。この3レースに日本馬は8頭が出走を予定し、現地入りしている。
その中には
高松宮記念(G1)の覇者でチェアマンズス
プリントに挑戦する
マッドクール(牡5歳、栗東・
池添学厩舎)や
NHKマイルC(G1)の勝者
シャンパンカラー(牡4歳、美浦・
田中剛厩舎)などG1馬もいるが、個人的に注目しているのはQE2だ。
ここに出走する日本馬は
ノースブリッジ(牡6歳、美浦・
奥村武厩舎)、
ヒシイグアス(牡8歳、美浦・
堀宣行厩舎)、
プログノーシス(牡6歳、栗東・
中内田充正厩舎)の3頭。いずれもG1での勝ち星はない。
しかし、過去には
ルーラーシップや
ネオリアリズム、
ウインブライトなどが同様で金星を射止めている。同舞台の
香港C(G1)を15年に制した
エイシンヒカリもまた、それが自身初のG1制覇だった。
その
エイシンヒカリは翌年、フランスのイスパーン賞(G1)を勝っているし、古くは
シャドウゲイトが
シンガポール航空国際C(G1)を、他にも
パンサラッサの
ドバイターフ(G1)やサウジC(G1)、これまたダートではあるが
マルシュロレーヌのBCディスタフ(G1)など、日本国内でのG1を勝っていない馬が、海外で大仕事をする例の多くは中距離戦だ。日本馬が強くなったと言われて久しいが、短距離戦では香港、オセアニア勢に分があり、2400メートル路線は欧州勢の牙城を崩せない例が多いのに対し、おそらく中距離路線は日本馬が最も強いと思える傾向にある。
今年のQE2には地元の王者
ロマンチックウォリアーもいて決して楽な相手関係ではないが、同馬も昨年の
香港Cは辛勝であり、
ピークは過ぎた感もある。日本勢の逆転に期待したい。(フリーライター)
スポニチ