スマートフォン版へ

藤岡康太騎手と最後の別れ 父・健一調教師も涙「かわいい自慢の息子」 葬儀に関係者ら1000人参列

デイリースポーツ
  • 2024年04月16日(火) 06時00分
 落馬事故により10日に亡くなった藤岡康太騎手(享年35)の葬儀が15日、滋賀県栗東市の栗東トレーニングセンター厚生会館本館にてしめやかに執り行われた。東西からジョッキー、調教師、馬主など競馬関係者約1000人が参列。供花652基に弔電は92通。早過ぎる別れを惜しんだ。

 心地良いうららかな春の日差しの中、式場の方々からすすり泣く音が漏れる。卓抜した騎乗技術に、関係者やファンのみんなから愛された人柄。早世したジョッキーの思い出が、参列者の脳裏に次々と思い起こされた。

 幼い頃から動物が好きだった康太さん。兄・佑介さんの背中を追い掛けるように小学5年生から乗馬を始め、騎手の道を志した。喪主を務めた父・健一調教師は「昔は落ち着きのない子でした。『大好きな馬を助けられる獣医になれ』と説得した覚えもある」と振り返る。

 危険を伴う騎手の仕事-。わが子を思う父の心配をよそに、息子はたゆまぬ努力を続けてトップジョッキーへの階段を駆け上がった。3月30日にはJRA通算800勝を達成。「夢だった騎手になり、たくさんの人に応援されて大きなレースも勝たせてもらった」。昨年のマイルCSでは代打騎乗のナミュールでG12勝目も挙げていた。

 今年はキャリアハイだった昨年の63勝を上回るペースで勝ち星を量産。その折に起きたのが、6日の阪神7Rでの落馬事故だった。プライベートでも、昨年6月に生まれた長男・蓮仁君はまだ生後10カ月と一家の大黒柱としてこれからという時。「調教、競馬終わりに真っすぐ家に帰り、子どもの面倒を見るいい親だった。父を亡くした蓮仁。これからはわれわれ家族が全力で守っていきます」と、かみしめるように言葉を紡いだ。

 加療中にSNSで励ましの言葉をくれたファンには、「かわいい自慢の息子。康太が大好きだった競馬、生まれ変わっても騎手になりたいと言っていた競馬を、みんなで愛して応援していただければありがたいです」と声を詰まらせながらメッセージを送った。

 康太騎手が人生を懸けた競馬への思いは、これからも受け継がれていく。

提供:デイリースポーツ

いま読まれています

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す