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わずか5回で消えたJRA重賞 オグリキャップも制したアーリントンCの前身とは

  • 2024年04月09日(火) 11時25分
 JRAでは年間に「139」もの重賞レースが行われている。葵Sなど近年になって新設、格上げされた競走もあるが、そのほとんどは長い歴史を持ち、5月下旬の目黒記念など古いものでは90年を超える。そんな中、たった5回で消えたJRA重賞があった。今週末13日に阪神競馬場で行われるアーリントンCの前身、ペガサスSである。

 同レースは87年〜91年に実施。短命には終わったが、GI馬を2頭送り出したことで、ファンにはよく知られている。88年には「国民的アイドルホース」「芦毛の怪物」と称されたオグリキャップが勝利。笠松からJRAへの転入初戦に選んだのがペガサスSだった。シンザン記念を含む4連勝中のラガーブラックに1番人気は譲ったものの、終わってみればオグリが3馬身差の圧勝。地方からの連勝を「9」に伸ばし、中央のファンにもその名、その走りを知らしめた。

 また、翌年の89年には名牝シャダイカグラが勝った。重賞初挑戦となった前年のラジオたんぱ杯3歳牝馬Sは2着に敗れたが、4歳初戦のエルフィンSを快勝して臨むと、ペガサスSでは1番人気に応えて1馬身半差の快勝。重賞初制覇の勢いに乗り、続く桜花賞では、「神騎乗」「ユタカマジック」といわれる18番枠&出遅れからの巻き返しVで、GIウイナーの仲間入りを果たしている。

 最終年となった91年は、阪神競馬場のコース改修工事により、中京芝1700mが舞台となった。同年の覇者はノーザンドライバー。前年のJRA賞最優秀3歳牝馬に選ばれた名牝で、GIタイトルには手が届かなかったが、その後は桜花賞3着、オークス4着とクラシックを沸かせた。

 このように春GIへの登竜門として存在感を示したものの、92年に阪神競馬場とアーリントンインターナショナル競馬場が提携を結んだことを機に、ペガサスSを廃止。後継のアーリントンCを創設する際、回次も引き継がなかったことから5回で幕を閉じることになった。短い歴史ではあるものの、勝ち馬が色濃く競馬史を彩っており、いまでもレース名を記憶にとどめるファンは多い。

 アーリントンCも提携元のアーリントンパーク競馬場が廃止されたことで、今後の行方が注目されたが、現名称、現条件のままで継続している。18年から4月上旬に移設され、NHKマイルCヘの前哨戦として定着した一戦。今週末のレースも含め、これからも数多くの名馬、名勝負をファンに届けてくれるだろう。

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