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桜敗戦乗り越え樫制したイソノルーブルと松永幹師

スポニチ
  • 2024年04月05日(金) 05時05分
 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、阪神競馬場では桜花賞が行われる。3歳牝馬3冠レースの第1弾となるこの桜の女王決定戦を、騎手時代に2度制しているのが、松永幹夫現調教師だ。97年、キョウエイマーチを駆ってメジロドーベルの末脚を封じると、00年には6番人気のチアズグレイスで穴をあけてみせた。

 そんな松永幹夫騎手だが、そのずっと前、91年にも絶好のチャンスがあった。デビュー以来5戦5勝、前哨戦も制していたイソノルーブルとのタッグで挑戦。1番人気に支持されたのだ。ところがオールドファンならよく覚えておられるであろうアクシデントに襲われる。スタート直前に落鉄。再装着を嫌がり、結果、蹄鉄を履かないまま走って5着に敗れたのだ。

 松永幹師が振り返る。「蹄鉄を打ち直そうとしたけど、抑え付けられたためにイレ込んで、尋常でないほど汗をかいてしまいました。これではまともな精神状態で走れない」。そう感じると、案の定だったと言い、さらに続ける。「この時点で自分はまだG1を勝ったことがありませんでした。ここはチャンス到来と思ったらこんなことになってしまい、一生G1を勝てないんじゃないか…と思ったものです」。

 しかし、ご存じの通り松永騎手とイソノルーブルのコンビは、続くオークスを見事に逃げ切り勝利。人馬共に初となるG1制覇を成し遂げてみせるのだった。もし桜花賞をすんなり逃げ切れていればオークスでのマークは厳しくなっただろう。まさに“人間万事塞翁(さいおう)が馬”を思わせるG1初勝利劇だった。「大外20番枠だったし、正直、厳しいと思っていましたが、ギリギリ粘り込んでくれました。差はわずか(鼻差)だったけど勝ったのは分かりました。とにかく直線が長く感じただけに、G1制覇の味は格別でした」。

 今年の桜花賞、松永幹師はハワイアンティアレを送り込む。どんなレースになるのか、この後のオークスへ続く一戦としても注目したい。 (フリーライター)

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