「
川崎記念・Jpn1」(3日、川崎)
粘った粘った、驚異の粘り腰を発揮した7番人気の地元
ライトウォーリアが、初めてナイターで行われた歴史的な一戦で逃走劇。重賞4勝目で初のJpn1制覇を果たした。2着に5番人気の
グランブリッジ、3着に4番人気の
アイコンテーラーとJRAの牝馬2頭が入った。断然1番人気の
セラフィックコールは5着に敗れた。
7歳の春。
ライトウォーリアがついに頂上に手が届いた。ダート
グレードレース改革により、従来の1、2月開催から4月開催へ移行しての記念すべき一戦。あいにくの雨模様だったが、直線は2頭の熱のこもったマッチレース。内に逃げる
ライトウォーリア、外に
アイコンテーラー。意地と意地とのぶつかり合いは長く、長く続いた。ゴール寸前でこれを振り切ると、さらに外から飛んできた
グランブリッジの猛追も頭差しのいだ。
多くのファンの大声援に、何度も右手を突き上げて応えた吉原寛は「すごい、すごい。こんなことあるんだぁ」と喜び全開。数々のビッグレースを制してきた名手も興奮を隠せない。「前回少し掛かったので、きょうは丁寧に。ハナに立つのも工夫して乗った。出来はピカイチ。今までにないぐらいだったからね」と口調もなめらか。
短期免許を取得して何度も訪れてきた
川崎競馬場。その都度、所属としてきた内田勝厩舎での勝利。さらに元日に発生した能登半島地震では、金沢出身の自身も被害を受けた。いまも苦しむ地元へ勇気を伝えるVでもあった。「感慨深いです。気持ちがいい。最高です!」と声を張り上げた。
5歳夏にJRAから転入してきて、11戦目でつかんだ
ビッグタイトル。地方所属馬が勝つのは21年
カジノフォンテン以来3年ぶり、川崎所属馬が勝つのは04年
エスプリシーズ以来20年ぶり。初制覇となった内田勝師は「夢のようです。ゴールまでドキドキでした。偉い子です。ジョッキーもうまく乗ってくれた」と人馬の奮闘をたたえた。ダートの一線級は不在だったが、だからこそ勝ち切ったことは大きい。「千八から二千がベスト」と指揮官。今後は放牧に出される予定。さらなる強敵が待つ大舞台へ向けて、しばし英気を養う。
提供:デイリースポーツ