春の中山の名物重賞「第56回ダービー卿CT」が30日、中山競馬場で行われ、2番人気
パラレルヴィジョンが重賞初制覇。鞍上の
戸崎圭太(43)は昨年(
インダストリア)に続いて連覇。管理する
国枝栄師(68)は98年
ブラックホーク、08年
サイレントプライド、17年
ロジチャリスに続き、同レース歴代最多となる4勝目を飾った。
鮮やかな差し切りV。「今日は理想的な競馬だったね。重賞を勝つことができて本当にホッとしているよ」。国枝師は期待の愛馬
パラレルヴィジョンの快走に笑顔満開だ。
好スタートを切り、後続を突き放す大胆な逃げを打った
エエヤンを見ながら、先行集団で好機を待つ。徐々に前との距離を詰め、迎えた直線。切れないがゴールまでしぶとく脚を持続させ、最後は測ったかのように逃げ粘る
エエヤンを差し切った。テン乗りで相棒を重賞初制覇に導いた戸崎は「届く位置で運んでいたので問題なかった。体もスッキリしていたが、直線の反応も良かった」と冷静にレースを振り返った。
究極の仕上げだった。Wコースの最終追いで5F65秒9〜1F11秒4の好時計をマークするなど、4週続けてラスト1F11秒台と攻めた。前走
ニューイヤーSから馬体重は16キロも絞れた。「シャープになっていた。中間での成長も感じていたし、精神面も大人になってきていたね」と納得の表情だ。
デビュー2連勝を飾り、22年
神戸新聞杯では1番人気に支持された(7着)素質馬。ダート転向など紆余(うよ)曲折を経て、芝マイルでオープン→重賞を連勝。「元々真面目に走る馬だし、この距離も合っているね」。好調の
キズナ産駒からまた1頭、マイル界に現れたニューヒーロー。今後の活躍から目が離せない。
パラレルヴィジョン 父
キズナ 母アールブリュット(母の父
マクフィ)19年2月4日生まれ 牡5歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦6勝(重賞初制覇) 総獲得賞金1億3588万8000円 馬名の由来は「4カ国で開催された生の芸術を集めた展覧会」(母名より連想)。
スポニチ