今週もG1名物「展開王」が登場。数多くある
ファクターの中から、展開面にスポットを当てて勝ち馬をあぶり出していく。混戦模様の「
大阪杯」を担当するのは東京本社・鈴木悠貴記者。コース適性、充実度も加味して、今年の
京都記念勝ち馬
プラダリアに自信の本命を打った。
大阪杯が行われる阪神内回り芝2000メートルは傾向がはっきりしているコース。スタンド前スタートから内回りコースを1周するレイアウトで、スタート直後にゴール前を通過する。坂を上り切ってすぐ小回りの1角と2角があるため、ペースは速くなりにくい。ほぼ平たんの
バックストレッチ、大回りの3角と4角を回って迎えた直線はわずか350メートルほど。直線一気の切れ味タイプは厳しく、ある程度の位置を取れてなおかつ良い脚を長く使える馬に勝機が訪れる。
実際に近10年、4角5番手以内の馬が8勝。また、15年を除く9年は馬券内3頭中2頭以上が4角5番手以内だ。一方、4角10番手以下の成績を見てみると…。【1・1・0・37】と悲惨。17年は前年のダービー馬
マカヒキが2番人気4着、18年はG1・2勝
サトノダイヤモンドが3番人気7着、22年はG1・3勝
エフフォーリアが1番人気9着に敗れた。データ上でも前有利は明らかだ。
今年のメンバーを見渡すと差し馬に人気が集まりそうな上に明確な逃げ馬は不在。スローペースは濃厚で、先行有利に拍車がかかりそうだ。この中で前走(海外除く)1角5番手以内で競馬ができているのは(2)
ローシャムパーク、(6)
ジオグリフ、(7)
ハーパー、(8)
プラダリア、(9)
ステラヴェローチェ、(14)
エピファニー、(15)
リカンカブール。本命には充実一途の
プラダリアを選びたい。
前走
京都記念はいつも以上に行き脚がついて楽に好位を確保。1000メートル通過59秒7の平均ペースにも息切れすることなく追走できた。直線は傷んだ馬場に屈することなくジリジリと脚を伸ばし完勝。5歳にして完成を迎えたとともに、
大阪杯への適性を垣間見せた。
鞍上の池添も「だいぶ緩さを感じなくなり、中身もしっかりしてきた。前走はいい内容。これならG1に向かっていけると思った」と手応え。持ち味を存分に発揮できる絶好舞台でG1初戴冠だ。
スポニチ