【競馬人生劇場・平松さとし】
「残念です」
ちょうど1年前。ドバイでガックリと肩を落とし、そう語ったのはレジェンド・
武豊騎手だ。
ドバイターフに出走を予定し、現地入りしていた
ドウデュース(栗東・
友道康夫厩舎)が左前肢ハ行のため出走を取り消したのだ。
22年の
日本ダービーを優勝。同年、秋に渡ったフランスでは
凱旋門賞など2戦したが結果を残せなかった。しかし、23年の
京都記念は最後の直線でさすがダービー馬という末脚を披露。2着馬をアッという間に3馬身半突き放し、改めて能力の高さを示すと、続く1戦で勇躍、中東へ飛んだ。
こうして臨む予定だったのが
ドバイターフで、たとえ外国馬相手でも
ドウデュースの能力を持ってすればチャンスは十二分にあると思えた。
しかし、好事魔多し。ゲートインすらできずに終わってしまったのだ。
帰国後の同馬は、レジェンドのケガもあって2戦ほど苦戦を続けた。しかし、
有馬記念では再び復活劇を披露する。
スターズオンアース、
タイトルホルダー、
ジャスティンパレスに
シャフリヤールや
タスティエーラなどなど。数々のG1馬を相手に、鞍上を
武豊騎手に戻した
ドウデュースは圧勝してみせた。
さて、その新たな
グランプリホースは現在、2年越しの夢をかなえるべく、ドバイ入りしている。渡航前の栗東の追い切りでも絶好の動きを披露した同馬は、現地入り後も「良い状態」(前川和也助手)とのこと。事実、現地27日早朝の追い切りではシャープな動きを披露。その後の歩様検査も昨年とは一変、一発でクリアしたそうだ。同レース4連覇を狙うロードノースや前哨戦のジェベルハッタを圧勝したメジャードタイムら、そうそうたるメンバーがそろうが、
ドウデュースが力を出し切れば、どの馬もかなわないだろう。日本馬のお家芸ともいえる中距離戦の
ドバイターフが素晴らしいレースになることを期待したい。ちなみに発走予定は日本時間、31日の午前0時10分。 (フリーライター)
スポニチ