古馬の伝統G2「第72回日経賞」が23日、中山競馬場で行われた。4番人気シュトルーヴェが重賞初挑戦で初制覇を飾り、天皇賞・春(4月28日、京都)の優先出走権を獲得。鞍上の鮫島克駿(27)はこの勝利で20年から続くJRA重賞勝利を5年連続に延ばした。

　初の右回り、初の重賞。シュトルーヴェが高い壁を乗り越え重賞タイトルをつかんだ。初コンビとなった鮫島駿もそのハイパフォーマンスに驚きを隠さない。「楽しいレースだった。とても乗りやすかったし、勝負根性がある馬。馬の強さに感動した」。

　マテンロウレオの大逃げは2500メートル戦としては速いペース。それでも鮫島駿とシュトルーヴェは全く動じない。「道中は縦長になったが、自分と馬の空間を意識してリズム良く運ぶことだけを心がけた」。4角手前で鞍上の手がようやく動く。

　「4角の傷んだ馬場を乗り越えられればいけると思った。直線は外に回しても伸びないな、と」。的確に馬場を読んで馬群に突っ込み、メンバー最速となる上がり3F35秒3。外から迫るクロミナンスの猛追も振り切り、先頭でゴール板を駆け抜けた。

　去勢明けとなった前走3勝クラス戦から鮮やかな連勝。「乗りやすいし癖もない。切れる脚も長所です」。5歳にして完成を迎えた新星。今後の中長距離界席巻へ期待の持てる大きな1勝となった。

　シュトルーヴェ　父キングカメハメハ　母アンチュラス(母の父ディープインパクト)19年4月21日生まれ　セン5歳　美浦・堀厩舎所属　馬主・村木克子氏　生産者・北海道安平町の追分ファーム　戦績11戦5勝(重賞初勝利)　総獲得賞金1億3452万6000円　馬名は欧州10カ国にまたがる世界遺産「シュトルーヴェの測地弧」から。　

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