中京競馬場で調整中の香港馬
ビクターザウィナーが決戦の地で静かに闘志を燃やしている。木曜朝はダートコースをダクとキャンターで約1周半ゆったり流した。環境にも慣れた様子で
リラックスムードが漂う。調教後に行われた共同記者会見に出席したプイチョウ・マン助手は「ここまで調整は順調ですし、今朝が一番いい状態だと感じました」と上昇ぶりを口にした。
香港の最強中距離馬
ロマンチックウォリアーを管理するシャム厩舎が送り込む刺客。G1初制覇を飾った前走のセンテナリース
プリントCは
ロケットスタートから逃げ切り、昨年の
香港スプリント覇者ラッキースワ
イネス(6着)を完封した。ハイレベルな
香港スプリンターの中でも
トップレベルの能力を秘めている。
参戦を決断した理由について、シャム師は二つの点を挙げた。「次走の候補としては1400メートル戦の香港G1もあったけど、この馬は1200メートル戦がベスト」と距離適性を重視。さらにキャリア15戦目で初となる左回りへの対応にも自信をのぞかせる。「香港に来る前、オーストラリアでは左回りの調教でいい動きをしていた。香港でも月曜の調教は左回りで乗っていて、助手も“大丈夫”と言っているしチャレンジすることにしたんだ」と明かす。
シャム師は香港のトップトレーナーだったアラン厩舎で調教助手を務め、00年
安田記念を制した
フェアリーキング
プローンにも携わった。調教師として日本で出走するのは12年
スプリンターズSのリトルブリッジ(10着)以来。「あの時は英国(
キングズスタンドS1着)に行った後の遠征で馬が疲れていた。
ビクターザウィナーはフレッシュだし凄くいい感じ。今回の方が期待できるよ」。15年エアロヴェロシティ以来となる香港馬Vへ、自信満々に送り出す。
【過去参戦の香港馬2頭ともに上位争い】
高松宮記念に参戦した香港馬の2頭は15年エアロヴェロシティ1着、18年
ブリザード5着とともに上位争い。同じ1200メートル戦のG1
スプリンターズSでは05年
サイレントウィットネス、10年
ウルトラファンタジーの香港馬2頭が制した。ス
プリント王国の実力馬は日本でも結果を出している。
ビクターザウィナーは昨年12月の
香港スプリント(4着)で日本から遠征した
ジャスパークローネ(7着)、
マッドクール(8着)に先着。アウェーの地でも日本馬撃破に挑む。
スポニチ